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2009/11/06

日本人の三つの心の原風景 ③ ―― 恥ずかしい・もったいない・すまない

(3) すまない!

日本人は「すまない!」という言葉を心から発する民族でした。樵が山の木を切る時、調理人が魚をさばく時、華道家が花を活ける時、その生命に対して「お命をお借りしてすみません!」と心で叫んでいたのです。

その背後には「悉皆仏」、全てのものに仏が宿っており、仏の心があり、それに語りかけていることが出来るし、またそうしなければ失敬になると考えていたのです。その背後には、生命への畏敬、神や仏への尊敬や畏敬というものが存在していました。

「不殺生」という言葉には、「殺生」をするにしても、その生命を大切にし、無駄をしてはならないという厳しい戒めの教えがあったのです。

また、人間同士でも、「わざわざ遠い所から訪ねてくれてすまない」「大変なことをお願いしてすまない!」「気にかけていただいてすまない」のように、絶えず相手の心の動きやその行為に対して感謝の念を持ち、「すまない!」あるいは「有難う!」という気持ちを抱いて生きていたのです。

ところが、何でも「お金を払っているのだから!」「それをやるのは義務だから」「やって当然でしょ!」の如くに変わってきてしまいました。どちらが本当に温かい社会でしょうか。それは言うまでもありません。

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和道 | Comments(0) | Trackback(0)
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