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2010/09/07

第一楽章 私の音楽原論  アレグロ


宇宙 音楽 人間

(1-1)音楽は神からの人間への贈り物
     音楽は神がこの世を造られてから最初に産み出された


 音楽は「神からの人間への最初の贈り物」と語られます。その点を物語る興味深い映画がありました。
音楽好きの方は、きっと『ヤング トスカニーニ』という映画を観た方が多いことと思います。その映画は、あの偉大なる指揮者トスカニーニがテーマであり、若きトスカニーニが、始めてアルゼンチンのブエノスアイレスのコロン劇場で、代理指揮者、それも急仕立ての代理指揮者としてオーケストラを指揮し、デビューするまでの半生を描いた内容でした。

 もち論、そこにはトスカニーニの恋も描かれてます。トスカニーニは最初チェリストであり、その映画で主人公を演じた、即ちトスカニーニ役を演じた役者は、その映画の役作りの為に、指から血がにじむ程、チェロの猛特訓をしたとの逸話が生じました。それ程までに、彼はその役作りに没頭したのです。確かに彼の演奏シーンはリアルでした。本物の演奏家が演奏しているようでした。そして、その映画の中で女優、エリザベス・テーラーが有名なオペラ歌手の役を演じてましたが、私は正直に申し上げてそれまでの映画を見た限り、彼女があれ程の〝性格俳優〟を演じられるとは思っていませんでした。

 その映画でのエリザベス・テーラーの演技には深く感動させられたのです。本当に迫真の演技でした。
そのエリザベス・テーラーについても、もっと語りたいのですが、実はここで話したいのは、エリザベス・テーラーの事ではありません。もち論、トスカニーニ論をしたい訳でもありません、『ヤング トスカニーニ』という映画の一場面を借りて、次の事を言いたいのです。

「音楽は神から人間への贈り物であり、この宇宙の中で最初に造り出されたものだ」ということを。

 さて、その言葉が出て来る場面に少し触れてみたいと思います。その場面とはトスカニーニが彼の恋人の修道女(シスター)を追って、アルゼンチンをオーケストラの一員として訪れた時の話しなのです。その彼女のいる修道院の前で、トスカニーニは、チェロを珍しがる現地の子供達を相手に演奏し始めます。その美しいメロディが、修道院のマザーの居る部屋の開き放たれた窓から入り込み、マザーの耳に届きます。その時、そのマザーの語る言葉が大変感動的だったのです。「音楽は神の贈り物なのです。神がこの世を創造されてから初めて産み出されたものなのです」と。

 音楽の本質は〝変化と統一〟そして〝全体と個との調和〟と良く語られます。実は宇宙(コスモス)とは混沌(カオス)との対語であり、宇宙とは「調和のある秩序の世界」という意味なのです。このことがマザーの言葉と結びついているのです。一つの曲全体の中で一つ一つの音が必ず意味をもって生きている曲程素晴しい曲なのです。一つの音も無駄がない程良い曲といえましょう。

 そうした作品は、たった一つの音を変えるだけで、全体の感じの変化を招いてしまうのです。その意味で、素晴しい音楽は、全体(ホロス)と個(オン)とが緊張関係を持った〝ホロニックな存在〟であり、凄まじいほど構造性を有していると言えます。本当に、たった一つの音すらいじれない程のものとして、完成されている作品があるのです。
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