2010/09/28

第一楽章 私の音楽原論  アレグロ

(1-2)音楽の誕生と進歩のプロセス
     ― 人間の言語能力と共に ―

 人類は最大のベストセラー『聖書』の「創世記」の冒頭で、「太初にロゴス(悟性)在りき」と述べています。ロゴスを言葉、真理、光などと訳すケースがありますが、ロゴス(悟性)とは、「あるものとあるものとを分離識別する能力と」定義されます。それによって、一つ一つのものに命名して、一つの存在として捉えることが出来るようになるのです。

 まさに人間は、その「言の葉」(コトのハ)を操る生き物として誕生し、進化を遂げてきました。二本足で歩行するようになり(バイペダリズム)、手が自由になり、大脳が発達をすることによって、〝考える葦〟となり、その考える道具としての音の組み合わせである言葉を、自らの頭の中で思考する道具として、そして共通のコミュニケーション媒体として、用いるようになったのです。

 言語に於いて文字が出来たのは、人類史の中では比較的最近のことなのです。まず、言語は発声する言葉として登場したのです。そうして、言葉を意識的に活用し始め、コミュニケーションを言葉でとる中から、神の祈りの言葉や、生活の中での掛け声等が、徐々に音楽的になっていったりしたのでしょう。

 音の組み合わせとしてのその言葉を、音→単語→文章→論理→思想として発展させていくのですが、(音楽も類似したパターンで発達していったものと考えられます)おそらく最初の音楽は、人間の声による日々の生活の中での発声であったと考えられます。まさに求愛の叫びや、何らかのコミュニケーション手段としての叫びがそうであり、単純な音を用いていたのでしょう。
 
 ターザンの「アーアーアー!」という叫びを思い出して下さい。その後、労働の時のリズムを合わせる為の叫びが、一つの歌となっていったり、徐々に楽器が、〝お囃子の道具〟として発達していったものと思われます。これについて専門書が沢山あるので、それを読んでいただけたらと思います。ここで重要なことは、人間が言葉を操れることによって音楽が発達した、という点なのです。人間は何故音楽を創造し、発展させられたのでしょうか。
 
 その点にまず思いを寄せていただくことなのです。一言で言えば「人間が人間たる由縁」と深い関わりがあるのです。それでは「人間が人間たる由縁」とはなんでしょうか。その最大の由縁はパスカルが〝考える葦〟と言ったように〝言葉を操る動物〟という事なのです。まさに音楽の発展もそれと不可分の関わりをもつのです。
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